はみごのぼやき
☆ディアーナ編☆
セイリオス

殿下。

この兄妹関係は、本当かどうか、結構悩まされました。
素直じゃない私は、セイルの勘違いではないかと、最後の方まで疑っておりました…。

血縁関係がどうのというよりも、王太子がどこの誰とも知れぬ人の子、亡き王子の身代わりにされた子どもという、王家の何重もの罪深さの方が怖いと思ったのは、私ぐらいでしょうか。

美しい人。皇太子としても、非常に有能な人。

すごい拾いものをしましたね、王家としては。本物の王子が、これほど優秀だったとは限りませんからね。

彼は、もう、一杯一杯の所まで来ていたのかも知れないと思います。 暗殺計画はあるわ、知ってか知らずか、核心をつかれるわ、自分自身、精神的にも解放されたかったのかもしれません。 それでも、「王子」で在り続けたのは、彼には彼なりに思うところがあったからでしょう。 それは、自分の素性に纏わることよりも、我が子として愛し、慈しんできた「育ての親」があったからなのでしょうか。 それとも、出自はどうあれ、この国を担っているのは、自分であることを理解していたからでしょうか。
少なくとも、この養い親を恨んではいなかったと思いたいです。



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