はみごのぼやき
応用微生物工業の未来

地球上に微生物が誕生したのは、約35億年前だと言われている。
そしてこの百年間に、発酵・腐敗・伝染病といった事柄が微生物によるものであることが、ほぼ解明されたと言える。
今日、我々が認識しうるだけでも、土壌、河川、湖、海底、空気中、更には体内といったあらゆる場所に微生物は生息することが分かっている。
微生物は、地球規模での物質循環に不可欠であると同時に、一方では病原菌であり、また、発酵工業による医薬品・農薬・食品あるいは酒類の生産の主役でもある。

そこで今回は、数ある微生物産業の中から、医薬品、特に抗生物質について考えてみたいと思う。

まず、「抗生物質」とは何か。
宿主には害を与えずに病原微生物に対して、直接特異的に作用し、その増殖を阻止したり、死滅させたりする化合物を用いることによって、感染症を治療することを「化学療法」と言い、この薬剤を「化学療法薬」あるいは「抗微生物物質」という。
そのうち微生物によって生産される抗微生物物質は特に、「抗生物質」と呼ばれる。※
病因となる微生物もいれば、それを抑える働きをするのもまた微生物なのである。

抗生物質として今日非常に有名な物と言えば、Penicillin であろう。
また、1943年には、Streptmycin が発見されている。
Streptmycin の発見後、各地で、主に放線菌を対象とする新しい抗生物質が発見されたが、一方で、これら抗生物質の耐性菌が出現し始めた。
ある物質に対する抗生物質の発見は、また新たな病原体を生じ、その抗生物質を作り出す。永遠に終わることのない生物の鼬ごっこ。

現在、抗生物質が期待されているものと言えば、癌、AIDS 等がそうであろう。この他にも、現存する抗生物質や、化学療法薬では、治療不可能な物や、困難な物が多々あるだろう。これらに有効な抗生物質の発見は、これからの微生物工業の一つの課題と言えよう。
しかし、抗生物質には不安な点が全くないわけではない。
その一つは先程から述べている抗生物質の耐性菌が生じることであり、もう一つは、抗生物質が引き起こす副作用の問題である。
特に副作用については、折角の抗生物質の働きもこれによって半減しかねない。
生物、ことに、人間との関わりの深い物だけに、より安全な物を提供することが望まれる。
また前者については、生物が生物である故の因果とも取れることから、果たして、生物の進化というものは、何処まで続くのか、あるいは、終わりがあるのかといった生物自身の進化について発展していくことになるかもしれない。
いずれにせよ、抗生物質の研究は、我々の生死に密着したものであり、この発展は、人類の発展にも繋がりうるものであると考えられる。

※文献から引用、ただし、文献を明記した部分を消失しているため、文献は不明。
必要なら自分で調べてみましょう。



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