例に漏れず、テレビ放映で見ました。 宣伝が巧かったのか、なかなかに「見たい」と思わせる作品でした。 法廷で裁かれることだけが、罪だとは、私は、言えないのではないかと思うのです。 体面のために、お腹の子を死に追いやったことは、罪ではないと言うのでしょうか。 冒頭の、法廷シーンでは、「これぞ、復讐」とも言えるのだと感じました。 母親の立場に立てば、それ以外が悪く、彼女の立場に立てば、それ以外が悪く。 子への愛情が、全て真実で。 愛していたことは、愛されていたことは、救いなのかもしれない。 それでも、「家族」だと言えることは、救いなのかもしれない。 異性と共に生きられなくても、ひとつの家族を築くことはできるのだろうし、形なんて、それぞれで、良いのだと、私は思うから。 生まれてくる子は、きっと、綺麗な物をたくさん見て、たくさんの愛情を注がれて、そんな風に、思わずにはいられなかった。 ただ一人、一日長く生きた蝉の真実なんて、最期に、どう思ったかが、全てなのだ。 |