はみごのぼやき
ダンジョン&ドラゴン

テレビ、所謂地上波放送で見ました。

日本語タイトルを見て、「私好みの内容の可能性がある」と思い、見ようとしたところ、吹き替え声優欄にあの御方(笑)の名前を見つけ、「見る」ことに。

まあ、日本語のタイトル通り、アドベンチャー・ファンタジー物だったわけですが、のっけから一言。

いいのか、いきなりドラゴン殺して…。

この手の話では、ドラゴンは必ずしも人間を含む多種族と友好的な関係を持っているとは言えず、何か害を為そうものなら、一族をもって報復を与えることもしばしばある気がする。

まあ、のっけから不穏な空気を漂わせているのだが、ストーリーとしては、この手の話に良くある形だろう。

それにしても、革命を起こそうとした女王といい、当事者になった貴族のお嬢様といい、エルフ族の女戦士といい、女性が強いという印象を受ける。

主人公よりも、終始気になったのは、孤独な闘いを強いられた女王の方であった。

自分たちの都合の良い地位を守る為に、甘い汁を吸いたいが為に、本来あるべき姿からかけ離れた評議会に、屈することなく立ち向かう少女。
数少ない理解者や協力者が殺される中で、真っ直ぐに前を向いて発言するその強さに、この国の未来を託そうとする者がいないほど、この国の政治を取り仕切る場は、堕落していたのだろうか。

彼女は、ゴールドドラゴンを率いて戦うのだが、それさえも、私には悲痛なものであった。
この国の現状を憂えた女王とともに戦うものは、彼女が操るゴールドドラゴンたちだけなのだろうか。
この若き女王は、なんと孤独なのだろう。

若さ故の情熱というものも、確かに存在するのだろう。しかし、この女王にあるものは、それだけではないと思いたい。

それにしても、貴族連中以外、いや、それさえも恐らくはごく一部にすぎないのだろうが、一般市民の誰が、この事実を知っているのだろうか。 もっと言えば、今、何が起こっているのかさえ、女王が何と闘い、何を成そうとしているのか、知る人はほとんどいないのだろう。それがまた悲しい。

死人は出してほしくなかった。まさか、あの人が死ぬとは思っていませんでした。小狡いようで、狡くなりきれない人。 潔い決断だったと思います。後を託すというのは、よほど信頼していないと難しいと思うのです。彼は知っていたのでしょうか。その行動が、どれほど大きな意味を持つのかを。 しかし、「犠牲はつきもの」とは言えど、それで得たものが、本当に平和なのかは、考えるところです。

ラストが分かりににくて、不満。
私的には、亡くなった彼の魂が紅玉に宿り、レッドドラゴンとして生まれ変わる事を期待していました。
そこまでしなくても、もう少し歯切れ良く終わってほしかった。

杖にかけられた呪い云々がどうなったのかも明記してほしいところ。

盗賊から騎士へ。
名もなき青年は、国を救った英雄へと変わる。

主人公の青年は何者だったのでしょうか。
彼というより、その父親の出自が気になります。



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