はみごのぼやき
犬飼現八信道

何故だろうか、人物像が見えてこない。
とにかく信念を持った人ではある。それ故、牢獄に入れられたりしたわけだと思っている。

自分の信じた道を貫くことの出来る人。

結構、他人のことを考える人で、口には出さずとも、周囲の人間の気持ちを酌み取って行動する人。
ただし、相手によっては、我が儘だとか、思いやりがないとか、勝手だとか、勘違いされることもしばしばあったのではないだろうか。

前半では、信乃のお守り役であったようだが、これは、この中で、信乃が最も危なっかしいと感じたからだろう。
信乃のことは、大切に思っていたと思う。

後半は、大角と行動を共にするようだが、これは、大角にも危なっかしい面があるが、この二人の関係は、大人としての、組みやすいパートナー的関係だったと思う。 二人が組むことによって、互いの「静」と「動」の均衡がうまい具合に取れる、最良のパートナーといったところだろう。互いにフォローできる関係。

あまり執着心がないようなイメージを与えがちだが、全くないわけではない。一つのもの(一人の人)をとても大切にするタイプ。ただし、それが一つだけとは限らない。

どちらかというと、気付かれることなく相手を守るのではないだろうか。器用なんだか、不器用なんだか…。

敵を前に、仲間を先に行かせて、一人立ち向かい、目の前の敵を全滅させるが、自分も絶命しそうなタイプ。
壁にもたれて座り、やや斜め上を見ながら、仲間を気にしつつ、大切な者の顔を思い浮かべて自嘲しそう。そのまま静かに息を引き取ったり…。…あかんやん、現ちゃん…。

手先は器用で、全体的に器用そうな印象があるが、己が信じた道を貫こうという辺りは、不器用だと思うが、如何なものだろう。

隣で寝てしまい、もたれかかってきたら、そのままにしておいてくれそう。布団を掛けてくれるかもしれない。 とりあえず、風邪をひくことがないように気をつけることはする。

自分で決めて、誰にも言わずに、さっさと行動してしまう気がする。さーっと何処かへ行って、何もなかったような顔でいつの間にか、帰って一行に加わっている。



八犬士選択



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