この人はお坊ちゃんだ。育ちがよい。何となく、礼儀正しいというか、ふとした仕草に育ちの良さが出そうな感じがする。 この御方は、ちゃんとエスコートしてくれるに違いない。 武家の出身なので、そういう可能性もあっただろうが、いきなり父親を亡くすわ、妹のことにしても、一番近しい者(力二と尺八)まで失ってしまう。
その現実を認識したり、受け入れる間もなく、突然現れた運命の義兄弟とやらに振り回され(少なくとも彼にとってはそうであったと思う)、戸惑いつつも、失ったものが大きすぎて、受け止められずに、一人で辛かったのではないかと思う。 根本的には、いい人だと思う。「若様」的に。 本当にしんどいことは、人に言わずに、一人でやってのけるような人。だからといって、他人にそれを求めることはない。 動き的に信乃を守っているのは、この人だと思う。 「ばーか、何やってんだよ」とか言いつつ、しっかりフォローしてくれるお兄ちゃん。「何やねん、おまえ」とか言いつつ(あくまで軽く)、甘えさせてくれる人。 『打倒 扇ガ谷定正』を掲げているが、他の犬士たちに頼る気はないどころか、「彼らには、無関係だ」と考えていそう。あくまで、それは、個人の問題だと思っているのだろう。 あまり信乃以外と一緒にいるところが想像できない。何だかんだで、さりげなく守ったり、フォローしたりしていた気がする。 皆の知らないところで活躍していそう。密かに、皆を守っていたのではないかと。結構沢山の人を斬ったのではないだろうか。 隣に座っている人が寝てしまって、もたれかかってきても、そのままもたれさせてくれそう。 お酒に強い。誰も酔いつぶれた姿を見たことはなさそう。 夏の夜、闇、闇にある一筋の(ぼやけた)光、蛍等のイメージ。 |