失っても、奪われても、それでも、彼らの、彼の「優しさ」は、やっぱり、真実だったのだと思うのです。
二人の「お兄ちゃん」だな〜と、微笑ましく思っていたのも事実で。
知っていたのでしょうか、この子も。
知っていて、それでも、願ったのだとしたら。
罪であるはずがないのです。
だって、わたしたちは、一つの生命体なのですから。
許されるとかじゃなくて、許されるかと問うのは、わたしたちの方なのです。そのはずです。
わたしたちの誰も、彼を裁くことなどできるはずがないのだから。
罪深い、罪深いことです。
あってはならないのです。
わたしたちの誰も、自分以外の誰も。