G.SEEDを語る
はみごのぼやき

〜THE BRIDGE〜

Primal Innocence


この子は、見ていて痛くて悲しくなる子でした。

どうして、どうして、周囲の優しさに気付かないのか、どうして、どうして、こんなにも、苦しそうなのか。失うのか。

失うのは、怖いです。

これまで傍にあったものが、あたりまえだったものが、離れてしまうことも、変わってしまうことも、恐ろしいと感じることがあるのです。

失わないために戦うという、シンが考えていたことが、それなら、やはり悲しいと思うのです。

失わないために、戦うことが悪いのではなくて、そのために、彼がその優しい心を失うというのなら、それはおかしいことだと思いませんか。

こんな思いが実際にあるのなら、自分を救おうとしてくれた手さえ、その手で傷付けることになっていたのなら、この状況を引き起こした現実に、過ちがないなんて、言えないと思いませんか。

作中、結局最後まで、そしてこの歌でさえ、苦しそうな彼にも、心落ち着く日々は来るのでしょうか。

そう、彼は、その思いを抱えて、戦うべきだったのかもしれません。
けれど、それは、己を傷付けた物をその手に持って、同じ事を繰り返す事ではなかったのではないでしょうか。
そうであってはいけなかったのではないでしょうか。
けれど、分からないから。その時は、それしかなかったり、それが全てであることがあるから。
止められるわたしたちでありたいと思うのです。

二重にも、三重にも悲しい犠牲者の一人だった彼。

そう、オーブの決断は、たしかに悲しくて、けれど正しいものだったのかもしれません。
けれど、それでさえ、見えないところでこのような悲劇を生んでしまう。そこから派生し悲劇が生まれてしまう。
何が駄目だというのなら、やっぱりわたしは、戦争だと思うのです。