この歌を最初に聴いたのは、テレビアニメ放映時の作中でした。
壊された劇場で対峙するアスランとラクス。
人影のない劇場に入ったときから微かに聞こえる音色。
思わず耳を澄ませてしまいました。
初めの歌詞は、その情景を思い浮かべられるものでしたが、二番目に入ると、ふと気付かされることがあります。
静かな、緑の水辺で、けれど、わたしの描くそこには、誰もいない。
ただただ、静かに時の流れを見ているだけのような風景。
そう、ただ待っていられたら良かったと思うことはあります。
そう、綺麗な心で、待ちたいと。
誰だって、「争いのない」場所があると思いたいのかもしれません。
争いのない、そんな場所を、わたしは望みます。
確かに、絶えないものかもしれません。
けれど、だからといって、武器を生産し、それを持って、人の心を無くすことを、肯定はできません。
転んですりむいたら、痛いです。痛みは、そんなことでも味わえる。
嘘やでっちあげで、多くの見知らぬ命を奪ったり、子供たちに人を殺すための道具を与え、人を殺させる、心を殺させる、そんなことに必要性を感じない。
好きな歌の一つです。
ただただ、静かに歌うラクス。
彼女は、けれど、その歌声だけで変えることは難しく。
いつか、手に入れたいと思います。
誰もの心にあると思っています。
誰もが、その心に持っているその景色を、誰もが手にすることができる日を望みます。
歌の終わりには、何か、喪失したものを抱えた人たちが、静かな景色の中で、夕暮れの海辺で佇んでいるような情景が頭をよぎる、そんな歌でもあります。